「クオリアと人工意識」を読んで

2023-07-15

茂木健一郎さんが2020年に出版した本です。ChatGPT4が出現する前ですね。
人口意識に対する探求がとても深くて丁寧。読み応えありました。

読後の感想

人工知能はすごい。紛れもなくそうだと思う。もうAIが無い世界に戻れる気もしない。

それはそれとして、人間は人間のことを忘れかけているのかもしれないと思った。
自分はちょっとそうなってるかもと思った。

そもそも、人間の意識とか、感覚の発露について、解明されてすらいない。

電力消費量の観点で脳とAIを比較すると、人間の脳はなかなか侮れない側面がありそうだ。

学習の仕方も、構造も違う。実は体と繋がっていい仕事しているらしいし、人間の脳ってなかなかスゴイやつのようだ。こういうことを忘れないで大事にしてやりたいという気になった。

全脳エミュレーションやマインドアップロードを題材にするなら、それだけを考えていてはクリエイティブに厚みが出ないのかもしれない。

物語を読んで、ぐっときて、言い知れない感情に揺れ動くようなこと。どう描くか、描かないのか、簡単に生成できるようなものじゃない。だから人とAIの共創に希望を感じられる気がする。

遥かな未来ではそれを構成する粒子一粒一粒を記述できるのかもしれない。それはそれでワクワクするし、今ここにあるクオリアを否定するものではないんだろうね。

世界中でたくさんの人がいろいろなことを考えている。楽しいよね。

クオリアと人工意識(講談社BOOK倶楽部)